もやし

ぼくの美しい人だからのもやしのレビュー・感想・評価

ぼくの美しい人だから(1990年製作の映画)
5.0
これすげえ良い、です笑
作られたタイミングとか運次第では賞取りまくったり人気作になってもおかしくなかったんじゃないか。完全に大人向けではあるけど。


過去に奥さんを亡くした若きエリートサラリーマンの男マイクと過去に息子を亡くしたウェイトレスの中年女性ノーラの恋愛。

マイクは奥さん亡くしたのがショックすぎてもう完全に人生に対して希望を抱いていない。

奥さんが亡くなったことを聞いて高笑いするノーラ…笑 確かにある意味ではちょっと笑っちゃうことなのかもしれないけどそれにしても…笑
そして何でもないことのように自分も息子を亡くしたことを告げる。
そこに来て初めて冷静沈着なマイクに動揺のようなものが見える。

息子の死を運命と言い切り、辛かったけどでも過去のことだからと言い切るノーラがかっこいい。人生経験の部分もあるんだろうけど考え方の部分の方が大きいんだろうな。

そして一夜を共にしてそれではいさよならだった、はずだったが、マイクの頭から彼女のことがどうしても離れない笑
ノーラの色気がマジですごいんだよね笑 男はあれやられるわ笑

彼女のあまりの存在感に、妻の死をも押しのける何かがあった。



価値観も境遇も全く違う二人だから、やっぱ色々と齟齬どころじゃないレベルの噛み合わなさがある。
そして何より年齢だよね…
やっぱ色々と大変よここまで年齢違うと。

そして彼女と一緒にいるのをどこかで恥じている?自分がいるというね。
知り合いに知られたくないというか。
でも俺はマイク最低!とは思えないな。
好きかどうかとか大切かどうかとはまた別に出てくる感情だよね。
そしてその気持ちを必死に隠そうとするが彼女にはいとも簡単に見破られてる。





脇の登場人物も良いキャラしてます。
結構下品なマイクの母とか、スピリチュアル占い師のノーラの姉とか。

あとあのマイク関係の知り合いの、労働者階級の悲劇とやらを語るおっさんね!
何だ労働者階級の悲劇って。お前は何様だ!笑



ロマンティックで感傷的で感動的で、気持ちも明るくなる映画でした。

初期の北野映画とかタクシードライバーみたいなダンディーなBGMも好きでした。
もやし

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