幌舞さば緒

ビリー・ザ・キッド/21才の生涯の幌舞さば緒のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

無法者の中で誰よりも目立ち、多くの人を殺め続けてしまったビリーが、誰よりも心からリスペクトしていた親友のパットに殺されてしまう話であり、元無法者のパットが、自分のことを心からリスペクトしてくれていた友であるビリーを殺してしまい後悔する話。遂に自分のことを殺しにやって来たのにも関わらず笑顔でパットを出迎えたビリー。そんな対応に躊躇せずビリーを銃殺した後、別の方向に人影を感じ咄嗟に弾丸を放つのだが、それは鏡に映る自分だったパット。You & I, You = I …激渋。沁みる。人を痛めつける行為や争い事の虚しさここにあり。


台詞メモ

「涼しい顔だな。まるで人が変わったみてえだ」「はっきり言う」「いいとも」「有力者たちがお前を追い出したがってる。出て行けよ」「それは命令か頼みか?」「俺の頼みだ。期限は5日だ。俺が郡の保安官になる。おめでとう」「パット・ギャレット保安官。一匹狼が役人か。気分は?」「これも時代が変わったからさ」「俺は変わらないぜ。ゆっくりしろよ。まだ4、5日ある」「いや、帰る」「あばよパット」「あばよビリー」「無理するなよ」「お前こそな」…「なぜ殺さねえ?」「なぜ?友達だぜ」

「お前も戦えよ」「そうだな、名案だ。まだ銃が持てる」

「ひでえ手下だな」「だが生きてる」「俺もさ」

「お前の働く姿を見たことがないぞ」「あんたの保安官姿もだ」「生きる知恵さ。法律の味方は楽だ。豊かな老後を楽しみたい」「大した野心だ。俺は今の瞬間がよけりゃそれでいい」

「ビリー、聖書のどこかにある。〝さまざまなときがある。愛するとき、憎むとき、殺すとき〟お前は神様に頼るときだ」「神様に会ったらポーカーで負かしてやる」「名案だ」

「ショットガンでぶっ飛ばしてやる。肉が派手に飛び散るぜ。讃美歌でも歌ってみろ」

「生きてるうちは綺麗に勝負したいし、死ぬときは綺麗にぱっと散りたい。ボブみたいなクソ野郎とは違う」

「パットはイカれちまった。もう男じゃねえ」「親友のことをそんなふうに言うなよ」「別な人間だ」「彼はチザムや他の牧場主に金で買われたんだ。君もそうだろう。だから景気がいい」「そうでもねえ」

「まだイエスが有り難いか?」

「だが、このリンカンが最低だ。テキサスもアリゾナも行った。コロラドも。あんたの娘、マリファナと国境を越えた。彼女は悪魔みたいに笑った。捨てたときも笑ってた」

「この準州は広くて未開だ。前途有望だから投資も増えつつある。発展を促進するために資本家を守る必要がある」「君はキッドと友達だったな?」「ああ」「なら行動が分かるだろう」「ビリーは気まぐれでどう動くか予測できない」「冗談じゃない。君が無法者だった経験を買ったからこそ牧場主が相談して保安官にしたんだ。逮捕できるかね?」「できるとも。牧場主が争いを起こして邪魔をしなければな」「安心したまえ。チザムも他の者も君に協力する。これは勝敗の決まったゲームだ。勝つ側に付いた方が利口だ」「キッドの逮捕に1000ドルの賞金を出そう。500は前渡しだ」「キッドは逮捕するがこれは返す。こんな汚い金は火をつけて燃やしちまえ」…「立派だった」

「昔は無法者だったのにバッジを着けるとはどういう風の吹き回しだね」「生きるためさ。俺もいい年だ。安定した暮らしをしたい」「金のために変わったわけだ。分かるよ。わしもただじゃ動きたくねえ。わしの夢は舟を作り上げてこの準州を出て行くことさ。この町も気に食わねえ」

「キッドの居所か?教えてやるぜ。お前がぶっ倒れたらな。お前が聞く最後の言葉だ」

「俺はどこでも自由に暮らせる」「カリフォルニアへは?」「一度も」「俺もさ。ここに長居はできない」「いずれギャレットがやって来る」「昔の仲間なのにな。メキシコも悪くねえかもな」「人によるさ」「そうだな」

「お前もこの町を出た方がいい。ロクなことはないぜ。みんなによろしく」

「この土地も変わる。流れ者や無法者はもう要らない」「何も知らないくせに生意気な口をきくな。国も俺も老けたがキッドは違う。昔ながらの西部男だ。キッドや俺の郡のことで偉そうなことを言うな」

「撃ち合う以外に方法がないかな」

「若いの、ビリーに会ったらな、一緒に飲みたいと伝えてくれ」

「ベルを殺した以外にキッドに恨みはない。ベルはいい男だった」
幌舞さば緒

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