あーさん

ビリー・ザ・キッド/21才の生涯のあーさんのレビュー・感想・評価

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たまたまBSプレミアムでやっていたので鑑賞。

西部劇はあまり観ないのだが、前に観た"マグニフィセント・セブン"が意外に良かったので、機会があれば観たいと思っていた。
あれは最近のだから小綺麗というか、いわゆるアメリカン・ニューシネマ的ではないけどね。

先日これまた、たまたまケヴィン・コスナーが主演の"ワイアット・アープ"を観ようとしたけど、やっぱりバイオレンスがきつくて途中でリタイア。。

これはかのサム・ペキンパー監督だし、大丈夫かな〜とビビリな私は恐る恐る観始めたのだが、、意外とセーフ!

それもオープニング・クレジットで何故だか、ボブ・ディランが俳優として出ていると判明。
よくわからないけど、めちゃくちゃ興味をそそるじゃないか!

簡単に言うと、実在のアメリカ開拓時代のアウトロー、ビリー・ザ・キッドの最期をその友人であり保安官のパット・ギャレットの視点から描いた作品なのだが。。

ビリー・ザ・キッド役にクリス・クリフトファーソン。パット・ギャレット役にジェームズ・コバーン。
この間最終回を迎えた大河ドラマで言えば、まるで"西郷どんと大久保卿"のよう!
私は絶対西郷どん派なのに、今作では大久保卿にあたるパット役のジェームズ・コバーンのシブさにやられてしまった。。
お年を召した柴田恭兵を思わせるダンディな佇まい、、ヤバイ!

クリス・クリフトファーソンも人を殺したり強盗したりするも、どこか憎めないビリー役にハマっていたと思う。

物語としては、コンパクトにまとまっていて西部劇を見慣れていない私でもわかりやすかった。
ちょいちょいボブ・ディラン先生が出て来て、これは一体どう絡むの!?とワクワクさせられたり、緩急も付いていて。
缶詰のシーンなど、つい真似してしまいそうだ(どこで!?笑)。
人が殺されるシーンはそれなりにドキドキしたけど、そこまでキツイ描写はなかったかな。

また、馬に乗ったビリーが一人メキシコを目指すシーン。その姿が水面に映るのが、なんて美しいのだろうか。。
西部劇でよく見るどこまでも開けた視野、何もない荒野、そして吸い込まれるような青い空、、
人々の暮らしもとてもシンプルだ。

やるかやられるか、その瞬間を生きるビリー達の時代。愛もまた唐突で、激しい。
壮絶なラストシーン。
二人にしかわからない関係性があるのだなと。

違った意味でストレスフルな現代を生きる私たちにとって、全く別次元の時代に想いを馳せるのも悪くない、、と思った。

来年は、ほっこりだけでなくハードな世界にも挑戦してみたいなと思う。


ボブ・ディランの歌も良かったなぁ。。

"Knockin' on Heaven's Door"が聴けるとは思わなかった♪
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