ブルースたかぎ

プラダを着た悪魔のブルースたかぎのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.8
名作で評価が高いことは知っていましたが、今回初鑑賞です
ファッションに興味がないというか、そこにお金を当てる余裕がないおっさんなので、なかなか観れずにいました

とてもテンポが良く、コミカル調なので、決して退屈はしないのですが、自分の価値観とは合わず、序盤はなかなか入り込めませんでした
お高い服にお高いプライド、見た目の品格こそ命と言わんばかりの人たちに苛立ちさえ覚えたほど
途中で見るのやめようかなとも思ったくらいでした
私自身、裕福な家庭で育っていないのでそーゆー人間共が心底嫌いなのです

しかし途中から、本作はそのような価値観をくだらないものだと皮肉っているのでは?とも思い始め
そして、主人公の心の変化や、友達たちの描かれ方から、本作はとても多角的に観られる映画なのでは?と思い、放棄することなく観続けられました

現代では大きなタブーとなったパワハラ、モラハラ、公私混同が横行するなかで、大事なもの、大切なことは何なのか
そして今の社会はそのようなものを保持できる造形になっているのか
何に重きを置くか、何に重きを置くべきなのか、何に重きを置くことができるのか
色々なことに思いを馳せながら観ていました

そしてラストです
最高のラストです
これはほんとに一本取られたと思いました
初めてシックスセンスを見た時のアッパレ感と同等のものです

メリルとアンが素晴らしいです
特にメリルのあの徹底したデビルぶり、そしてラストにとっておいたスマイル
さいこーでした
あの一点でここまでぐんと感動を上げる
この映画すごいです
エミリーブラントも綺麗でした
クワイエットプレイスやボーダーラインとは180度違う顔で、彼女だと気がつくのに時間がかかった

結局のところ感じたのは、どれだけ冷徹になっても、人は心を無くせないってこと
所々人間らしさが溢れる登場人物に見てる側はなぜかホッとします
イメージとは違い、なかなか複雑な構成を持つとても良い映画でした
高評価に納得です



あと一つ鑑賞中ずっと思ってたことがある

アンハサウェイ、ぱいぱいデカくね?