なお

007/ダイ・アナザー・デイのなおのレビュー・感想・評価

007/ダイ・アナザー・デイ(2002年製作の映画)
3.6
007シリーズの記念すべき第20作にして、シリーズ40周年記念作。
また、”5代目”ボンドを演じたピアース・ブロスナンは、本作を最後に「殺しのライセンス」を返上することとなる。

ダブルアニバーサリー作品らしく、劇中様々な場面にて過去作に登場したアイテムがカメオ出演よろしく登場したり、過去作の一場面を彷彿とさせるオマージュ的なシーンが存在するなど、昔ながらのファンをニヤリとさせる演出も存在する。

✏️ピアース・ボンド最後の勇姿
自分が中学生のころ、サブスクの走り的なオンデマンドサービスに親が加入していて、その中にあった007シリーズを1本だけ見た気がするなぁ~、という記憶だけがうすぼんやりとあったのだが、本作がそれだった。

『ワイルドスピード/アイスブレイク』も真っ青の、氷上を舞台に展開される銃撃戦とカッチョいいスポーツカー同士のカーチェイス&カーバトル。
このシーンが強烈に脳内に焼き付いていて、その頃の記憶がありありと蘇ってくるようだった。

それと同じくらい強烈だったのが、本作の冒頭。
なんといきなり、我らがボンドが北朝鮮の軍部に約1年以上も捕虜として囚われの身となっているではないか。

髪は伸び放題、ヒゲをたっぷりとたくわえたボンドにかつての世界を股にかけるスパイとしての面影はなく、さながら『キャストアウェイ』のトム・ハンクスの如き出で立ちである。
(そんな姿でもちょっとワイルドでカッコよく見えてしまうのがズルい)

いざ1年ぶりにMI6に戻ってみれば「なんだ、戻ってきたのか」てな感じであしらわれ、果てには”00(ダブルオー)”ナンバーを剥奪されるなど正に踏んだり蹴ったり。

それでもボンドは再び死地に赴く。
『消されたライセンス』以来の、孤立無援・四面楚歌な状態で戦うボンドの勇姿を楽しむことができる。

✏️キャットファイト
前作『ワールド・イズ・ノット・イナフ』でも描かれた「ボンドガールの裏切り」が本作にも存在。

元は仲間であったはずのミランダが組織を裏切り、ボンドの敵役となる。
その代わりにボンドと共闘することになるのがジャシンタ・ジョンソン---通称ジンクス(悪運)。

物語終盤、これまでの007シリーズでは描かれることのなかった「ボンドガール同士の」戦いはこれまでのシリーズ作にはない新鮮味アリ。

ちなみに、ジンクスを演じたハル・ベリーは黒人初のボンドガール起用となった。

☑️まとめ
これといって批判すべき点は見当たらないが、取り立てて褒めるべき点も見当たらない…「中の中」といった感じの内容。
捕虜となった毛むくじゃらボンドや、スポーツカーを駆使したカーバトルは目に楽しかったが。

前述の通り、ピアース・ブロスナンは本作を持ってボンド役を降板。
本人はボンド役の続投を熱望していたらしいが、大人の事情的にうまく折り合いがつかず、結果本人から降板を申し出ることになったそう。

その後「殺しのライセンス」は約4年の時を経て、初の金髪ボンド、ダニエル・クレイグへと引き継がれる。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:8(1)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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