てづか

ナポリのそよ風のてづかのレビュー・感想・評価

ナポリのそよ風(1937年製作の映画)
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他の方も言っているけど、主人公のジャンニがクズで笑った(笑)おじさんに居候させてもらってるくせに女に入れ込んで自分のことは棚に上げておじさんに金がないのが悪いと他人を責める始末…

しかも、パオラに会いたいからってメイドのラウレッタのことを弄んだのはマジで許せん…

結局、どう取り繕っても上流階級には馴染めず、かといって彼らが彼らの常識を教えてくれることもなく、「何でこんなことも知らないの?」という冷徹なひと言で片付けられる。
完全に別世界の話をしている。自分は混ざれない。孤独を感じて泣いていたラウレッタも、ジャンニと同じ思いを抱きながら働いていたと分かるシーンが素晴らしかった。

そういう思いが積もり積もって、ついにメイドを辞めると伝えたときに上流階級の人間は「あんなに良くしてあげたのに」と言っていたけど、その実なんにも彼女自身を見てあげていなかったのだと思う。

最後にはラウレッタと結ばれて本当に良かった。ラウレッタのことだけ幸せにしてやりゃあそれでいいや。

テンポが良くて観やすかったし、面白かった。
おじさんの忠告とともにドアが閉まって終わるのがなんか心地よかった。
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