こたつむり

HIDDEN ヒドゥンのこたつむりのレビュー・感想・評価

HIDDEN ヒドゥン(2010年製作の映画)
2.0
♪ 運命のルーレット廻して
  アレコレ深く考えるのはMystery

個人的に“やらかした”案件でした。
SF映画だと思って借りたのですが『ヒドゥン』違いだったのです。凹みました。

しかも、面白くない出来栄えに更に凹み。
SFだと勘違いしていたうちは、ホラー的な演出が新鮮だったんですけどね…それも勘違いの賜物ですから…さらに気分は凹む次第。ヘコヘコ。

でも、それが理由で辛口になった…わけではなく。本当に雑な仕上がりなのです。例えば、個性を描き分けられないのに無駄に多い登場人物とか。ホラー映画のテンプレートを思考停止で流用しているとか。

何しろ、廃墟でいきなり欲情する展開。
よくもまあ、あんな不気味なところ(礼拝堂の隠し扉から入って、階段を5分くらい降りた場所にあるコンクリート打ちっぱなしの小部屋)でムラムラできますな。その事実が一番怖いです。

というか、センスがヤヴァいのは序盤から。
時間経過の描写からして“映像のつなぎ方”が不思議な味わいなのです。まさに「21世紀のエド・ウッド」と呼ぶに相応しい仕上がりでした。

また、10年以上も放置されていたトイレで用を足し、落ちている鏡を無造作に拾う無神経さはギリギリ許容するとして。カットが切り替わった瞬間に手から鏡が消えていたのは…本作で一番の謎です。

あと、ある登場人物については、幼少期と現在と“髪の毛の色”が違っているのですが言及なし。女性なら染めるのも分かりますが、世捨て人のような男性ですからね…意味が分かりません。

そんな中でキラリと光ったのは冒頭。
“脳内から依存症の原因となる物質を抽出する”という着想は新鮮でした。勿論、その後の展開はグダグダのグダグダなんですけどね。モッタイナイですね。

まあ、そんなわけで。
山道で道に迷い、怪しい屋敷に入った気分を味わえる作品(これはイヤミですよ。念のため)。低予算とか映像の陳腐さとかで作品を区別するのは生産的ではありませんが、感情を“ぶつ切り”にする無神経さは、B級でなくZ級として分けたほうが良いと思いました。完全に立入禁止の作品です。
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