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七人の刑事 女を探がせの3104のレビュー・感想・評価

七人の刑事 女を探がせ(1963年製作の映画)
4.0
往年のTVドラマの劇場版。全3作公開されたうちの第2作。
TV版も全く知らず、それも劇場第2作からで大丈夫か?と思ったがその心配はまったくの杞憂に終わった。単独でも純粋に楽しめる作品。

川岸で見つかった女性の死体。現場に落ちていた片方だけの靴。
聞き込みから女性は近所の感化院から脱走した4人の女生徒の1人だと判明。残りの3人の行方は?そして靴の持ち主は・・?

捜査一課の7人の刑事たちが2つの謎を追う前半は、刑事ドラマの手本とでも言わんばかりの地道で丁寧、かつオーソドックスな展開。そこに絡む脱走不良少女達がストーリーのアクセント代わり。特に大人を振り回す十朱幸代と知恵遅れの中村晃子が魅力的。

靴の持ち主が判明し、それに伴う人物が捜査線上に浮かびあがって来てからは後半戦。その人物たちと一課の7人との対決の構図がメインとなる。隠された秘密、崩せぬアリバイ、刑事達の葛藤がやはり丁寧かつ誠実に描かれる。そしてクライマックス手前からは一転「タイムリミットもの」に。この切り替わりと迫りくる時限の煽り方も的確かつパワフル。

7人の(今の目から見ると)派手とは言えない面構えやパフォーマンスがいい。それを引き立てるジャジーでグルーヴィーな音楽が更にいい(担当は“ヤマタケ”こと山下毅雄。サントラ盤があったら欲しいなぁ)。

室内や街中では手前に物を置き遠近感を活かしたカメラワーク、そして川岸など何もない場所では人を左右に寄せて空間を活かしたアングルが共に秀逸。
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