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エリ・エリ・レマ・サバクタニのharunomaのレビュー・感想・評価

5.0
プルーストの大聖堂のような映画だ。それも成層圏の。
その響きの中に 君の想像するかぎりのあらゆる名前や単語が見出される鐘の音

夕景の高原のススキの、往復する横移動の運動に、二人の男たちが奥から手前へ登るともなく登ってくるショットがあるが、存在の渇きが水に仕えるように奇跡的な幸福を禁じえない。映画は物語では全然ないのかもしれない。
忘れない、憶えている。

『宇宙戦争(War of the Worlds)』『アワーミュージック』『デジャヴ』『コラテラル』『ミリオンダラー・ベイビー』
世紀がかわる2005年の地震計を伝える。

WILD LIFE、月の砂漠(私はベストだ)、赤ずきん、名前のない森
もいいだろう。だが追悼の追悼をして、ゼロの領域からしても、この映画を上映しないのはどうもおかしい。似非ではないか。だれもかれもが追悼をする権利などあるはずがない。同様に、国葬しない権利もあるのだから。追悼芸人よろしく、そう毎年タモリのような弔辞を述べられるわけもなく、人が亡くなるとわらわら公衆の面前に湧いて出てくるような輩が喪に服しているなど、ありえない表象の顔をしているのだから、そんなコメンテーター馬鹿には恥を知れと一言言えば事足りる。
むしろぴあではなく、国立(くにたち)映画アーカイブが、今秋全作品を無料上映するのが真っ当。フランスのシネマテークに先を越されれば、愛国者の矜持に悖る。全作品上映など閣議決定ですぐに可能だ。
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