ハレンチ学園在学生

エリ・エリ・レマ・サバクタニのハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

3.7
2006年の公開時にテアトル新宿で見て以来の再見。初見時は傑作だと思った。コロナ禍を経験した今、世界に蔓延るレミング病がパンデミックを予見していたかのような印象を受けざるを得ない。浅野と中原の作る音楽を聴くとレミング病の症状である自殺衝動を抑えることが、音楽が慰藉であることを伝えるわけだが、限定された弾き手の存在が特権性を帯びてしまうことが、今回気になった。青山真治における宮﨑あおいという存在は、傷ついて回復を望む天使の役割を負っていることを強く再認識させられた。