このレビューはネタバレを含みます
生きている人がただ立っていると墓標に見えるんだな。
砂漠はとても歩きにくい。足を取られるけれど、沈みきったりとらわれきってしまうことはないから歩けてしまう。それこそが歩きにくさ。
死人たちの家に盗みに入って、武器だってなんだって音の素材にしかしない。生きていれば役に立つものは、死んだら今度は音のために役立つ。それを見出す人がいるから。にまにまと子供のように笑って音と戯れるふたり。火葬すら素材。
遺影が動いてるの、とてもいいから真似したい。こっちを見てないのもいい。
帽子をずっと脱がない人は頑なに何かを隠していることが多くて、別に脱がなくたって死ねるのに最期には脱ぐのね、と思った。風呂でさえ被ってるくせに。
構図や光や動きが音になる画面だから、音がいいからと言って目をつぶれないから忙しかった。
ノイズがいちばん美しい、と思えてしまう瞬間が度々あって、深くリラックスした。