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カフーを待ちわびてのodyssのレビュー・感想・評価

カフーを待ちわびて(2009年製作の映画)
2.7
【エンドロールが終わるまで席を立たないで】

ヒーリング映画っていうんでしょうか、あんまり物事を詰めて考えずに、何となく見ておけばいい映画じゃないかと。

沖縄の小さな島のひなびた景観や自然は美しく撮れています。ついでに、主人公の青年もぼおっとしていて、風景の一部になってしまいそう。観客としては、あんな小さな店をやったって島の人口も多くなさそうだし食っていけるのかなあ、なんて疑問を抱いてはいけないわけで(笑)、「そういうもの」として受け取ればいいんでしょう。

独身青年のところに身元不明の若い女性がやってきて住み着いてしまう、という筋書き自体がおとぎ話的だし、若い男女の物語なのに――同居しているおばばだけは卑猥な話題を出しますけど――性の匂いが全然しないというのも、ヒーリング映画には肉体的な部分が少ない方がいいからでしょう。

ただ、島の観光開発の話が入っていて、それが主筋にからむので、筋書き的にはまあまあ工夫はされているのかなとは思うけど、その観光開発のところが最後で曖昧なままになってしまうのは、いくら何でもいい加減過ぎはしないでしょうか。

ヒロインのマイコさんですけど、前回の温泉宿の映画では悪くなかったのですが、今回はイマイチ役柄に合っていない気がします。スレンダーな体つきはいいんですが、目鼻立ちがくっきりし過ぎているせいか、もう少し陰影のある容姿の女優さんが望ましかったのではないかと思ってしまいました。
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