ゆーみん

カフーを待ちわびてのゆーみんのレビュー・感想・評価

カフーを待ちわびて(2009年製作の映画)
4.0
あなたの幸せがわたしの幸せ

本を読んで、映画を見て、本当にあったかい気持ちになりました。静かでほっこり暖かくて、最後にジーンとくるそんな作品です。

明青が幸に伝えられなかったことを、思い出の絵馬を通じて成就させるオリジナルラストは、読者の誰もが望んだシーンだったのではないでしょうか。

特に映画で印象的だったのは幸の白いワンピース。何にも染まっていない真っ白なワンピースが幸の純粋さを表現しています。
同じく、明青の母親も家出する際真っ白な服を着ていますが、2人に共通点を持たせることで、去る母と来たる妻を表しています。
さらに明青も、初めは色付きのTシャツを着ていますが幸との距離が近づく後半にかけて白いシャツを着るようになっています。

2つ目が明青と幸2人が何度も並んで歩いた海まで続く道。何度も同じような構図で撮ることで2人の身体的精神的距離が近づいていることを明示しています。1つの傘を譲り合いながらさすシーンが大好きです。