爆裂BOX

バッド・テイストの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

バッド・テイスト(1987年製作の映画)
4.3
凶暴なエイリアンによって住民が全滅した田舎町カイホロでエイリアン調査協会のバリー、デレク、フランク、オジーの4人は、人間に擬態したゾンビのようなエイリアンの姿を目撃する…というストーリー。
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で一気に大物監督の仲間入りしたピーター・ジャクソン監督が新聞社に勤めながら4年以上の歳月をかけて作り上げた長編デビュー作です。
エイリアンの襲撃にあった田舎町に派遣された対エイリアン特殊部隊の4人が、集金の為町を訪れて巻き込まれた集金人を助けながらエイリアン達と醜悪な戦いを繰り広げるというシンプルな内容です。
友人達と作り上げた自主製作作品だけあって安さはあるものの、スピーディーな展開や巧みな編集、そして全編にわたって炸裂する過剰なまでの悪趣味サービス精神とピーター・ジャクソンの才能が爆発した快作になってます。
前置きもそこそこに田舎町に来た特殊部隊4人(全員見た目普通のオッサン)がエイリアン達と序盤から最後まで戦い繰り広げますが、やはり何といってもその戦いの中で繰り出されるグロ描写が大きな見所になってますね。
序盤から銃弾でエイリアンの頭の上半分が吹っ飛ばされて脳味噌飛び散り、仲間のエイリアンがスプーンでその脳味噌掬って食べたり、マシンガンの銃弾で腕が千切れたりハンマーが頭に刺さったり、後頭部の皮が剥がれて飛び出た脳味噌無理やり押し込んだり、内臓がドロッと零れ落ちたり、目玉が飛び出たり脊髄付きで頭引き摺り出されたり車ではねられてエイリアンの上半身と下半身分断されたりとチープでバッチイグロ描写が全編にわたって炸裂します。エイリアンが緑のゲロボウルに吐いてそれを回し飲みするキモすぎるシーンも(潜入してた隊員がそれ飲んだら意外にうまいみたいな反応笑いました)
エイリアン達は人間に擬態してて、全員ブルーのシャツにジーンズはいててゾンビみたいです。斧やハンマー持って襲い掛かってくる所は殺人鬼っぽかったな。後半の拠点にしてる家で隊員たちと戦い繰り広げる所ではお互いマシンガンやハンドガン撃ちまくる安さはありつつも激しい銃撃戦繰り広げてコマンドアクション物みたいです。
監督自身が演じる隊員デレクが中々に強烈なキャラでしたね。序盤から変人感溢れてたけど、監督が一人二役で演じるバカっぽい顔したエイリアンロバートと崖で戦い繰り広げて崖の下に落ちて死んだかと思ったら、まさかの復活!でも、後頭部から脳味噌飛び出してそれを無理やり押し込んだりエイリアンの脳味噌追加したりしてすっかり狂人になって暴れまわります。後半ではチェーンソー持ち出してヒャヒャ笑いながらアジトに現れて仲間からも「イカレてる」と逃げられますし(笑)崖で繰り広げられるピーター・ジャクソンVSピーター・ジャクソン戦はスタントなしで結構危なそうな戦い繰り広げてましたね。というかロバート演じる時髭ついてるくらいなのにまるで別人に見えたな。
後半でエイリアンの真の姿になりますが、ジャケットの豚みたいな造形キモ可愛くて良いですね。この姿になってマシンガン持ってヒョコヒョコ歩く姿妙に可笑しかった(笑)
仲間が放ったロケットランチャーの弾がエイリアンボスにもデレクにも避けられて羊に命中するあの間よ(笑)そしてまさかあれが宇宙船だったとは(笑)
ラストの真上からのチェーンソー攻撃はかなりグロくて良いですね。「また生まれた!」は名言だと思う(笑)
今は廃盤になってるDVDの特典のメイキングは映画製作志す人は必見ですね!そしてVHSの吹き替え版はたけし軍団が行っているという(笑)こちらも収録してほしかったけど権利関係で無理なのかな。
ピーター・ジャクソンの情熱と才能がこもった傑作ですね。今は大物になってもうこういうえいがとれなくなっちゃったのかなぁ…そして今作もDVD簡単に見れる環境にないのが残念ですね…