今有名な俳優めっちゃ出てるって事で久々の鑑賞。
シーンごとには画力もあって、迫力を楽しめた。
物語冒頭からタイトルが出るまでが個人的にはツボだった。
どうやらこの家の子供はやばいらしい、と言った両親の会話。
忍び寄るナイフを持った小さい影、部屋の扉に近づいたところで、タイトル「悪の教典」
これがあの、予告のサイコパスね。疑われたりしたら親でも殺してしまうのね。と最低限のセリフで手際良く説明する楽しくなりそうな冒頭。
期待している殺害シーンをまだ見せてくれないのも興味をそそる演出だった。
殺戮シーンと、その始まりも良かった。
ここから本番というところで、学園祭の照明がピカーッと光る。さーて、祭りの始まりですよ〜とニヤニヤする三池監督が浮かんだ。
伊藤英明さんのサイコパスがうまい。
無駄のない動きや、爽やかだけど整いすぎた顔立ちはそんな風にも見えるのか。
大人メンバーの山田孝之、吹越満、滝藤賢一さんらの落ち着いてるけどキャラクターが立った演技。
学生メンバーの二階堂ふみ、染谷翔太、林遣都、浅香航大、松岡茉優さんらはフレッシュな力を活かして今も感じさせるそれぞれの個性をこの頃から感じ取れる。
このメンバーの歴史を追える点でも貴重な作品だと思う。
見ている間は大体ずっと楽しかったし、考えずに友人と笑って見れる映画。
ただ、数点気になる点もあり、終わった後はスッキリとはいかなくも感じた。
まずハスミンの過去描写が非常におざなり。両親の殺害シーンのようなことができるなら変な外国人バディの必要性も謎だし、ごっそり抜けててもなんの違和感も無いと思う。
両親殺害に至るくだりは素晴らしかったが、生徒殺し、自宅でのサイコパス行動をもっと密に描くことができたのでは無いかとも思う。
キャラクターの描き方の雑さも否めない。
学生一人一人へのフォーカスが甘く、死んでいっても誰一人として感情移入は出来なかった。
続編に続くような展開も、引っ付けたような感じがしてスッキリせず、一本の映画として素晴らしいものとして終わらせようとしているとは思えなかった。
見ている間は非常に楽しめただけに、この消化不良感は残念。