あなぐらむ

女性自身のあなぐらむのレビュー・感想・評価

女性自身(1962年製作の映画)
3.8
シネマヴェーラ渋谷で鑑賞。

丸の内B・Gの恋模様を職人・福田純が手堅く仕上げた佳作。いかにも東宝顔のヒロイン、藤山陽子はこれが第一回主演、浜美枝と水野久美という豪華ライバル陣と、絵に書いた様な好青年・佐原健二を巡り恋の駆け引き。勘違いキャラの藤木悠がコメディリリーフで盛り上げる。

恐らく低予算(モノクロ)なのだが、セット等やはり東宝だけにしっかりしていて、藤原釜足、中北千枝子に千石規子の助演陣も豪華。
藤山のだめんずな姉に原知佐子。銀座中心で都会的な物語は洒脱で、笑わせる中にお見合いから恋愛婚へとシフトする時代が見える。

浜美枝のオトボケなキャラがとにかく可愛く、ハンケチコレクションのネタも最後にちゃんと回収していく脚本は中々良く出来ている。
藤山陽子はとても綺麗なんだが、整いすぎて地味という感じでこの後も助演が多いようだ。トレンチコートやモヘアのセーター等、シックな着こなしが素敵。