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マイライフ・アズ・ア・ドッグのucandoitのレビュー・感想・評価

5.0
1985年 ラッセ・ハルストラム

大好きな「サイダー・ハウス・ルール」や「ギルバート・ブレーク」のハルストラムのスエーデン語作品。

スプートニックに置いてけぼりにされたライカ犬。
心身ともに病んでいる大好きな母、ちょっと意地悪な兄、そして愛犬シッカンと引き離され、母の弟の村に預けられた自分をそんな犬に喩えたイングマン、12歳。

ガラス工場の村で気の良いおじさん、おばさん、素朴な村人たち。
屋根から降りない人、出来の悪いゴンドラ作りに情熱を燃やす緑の髪の少年の父親。前衛的な芸術家。寝たきりで女性下着の雑誌を楽しみにしているおじいさん、のような変人たち。

自分の地元ではみそっかすだったイングマンが徐々に明るさを取り戻す。

この子は田舎でとてもモテます。
ナイスボディの大人の美女、クラスの女の子。
そしてボーイッシュな美少女サガ。
彼女はお転婆で女になる事を拒むが男としてのイングマンが好きという二重の倒錯がそこはかとないエロティシズムを醸し出します。

そしてイングマン・ヨハンソンがフロイド・パターソンを倒すというスエーデン国民には忘れられない高揚に繋がるハッピー・エンド。
病気の母とやんちゃ過ぎる兄弟、陰気なおじさんで始まる重苦しさがメジャー・コードで解放される気持ち良さ。

ポーズをとっているナイスボディ美女の上に天窓から転落したイングマンが彫刻になっていたw。
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