ちりぽり

マイライフ・アズ・ア・ドッグのちりぽりのレビュー・感想・評価

4.0
観ているときは、田舎の温かい繋がりのなかでの生活描写にほんわかしていましたが、観終わってから残った感情は、じわ~っとくる切なさ。

イングマル少年が健気なだけに、じめじめした雰囲気はないのだけれど、逆に辛くなります。

母親が重い病気で、夏休みの間を兄と別々に引き取られるイングマル。
大好きな飼い犬とも別れ別れ。


身を寄せた先の家族も地域の人たちも、みんな優しく迎えてくれるんだけれど、
やはり寂しい…。

イングマル少年はちょくちょく、スプートニク号に乗せられて宇宙に放たれたライカ犬のことを思って、自分を慰めます。
「ぼくは、あの犬よりはマシ」。

まだ自分の力では人生をどうすることもできない子どもは、犬と同じように軽い存在なの?
ぐるぐる考えると、親から離して飼う子犬や子猫のことも、本当に親代わりになれている?と不安になります。

なんとも言いようのない、この切ない感情を、どうしたらいいんでしょう。
ちりぽり

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