特濃ミルク

マイライフ・アズ・ア・ドッグの特濃ミルクのレビュー・感想・評価

3.7
 ずっと海外に行っている(とされていて家に居ない)父、病気がちな母、普通な兄、愛犬シッカンと暮らすイングマル少年。彼には一つの人生哲学がある。「たとえ何か辛いことがあっても、ロクな食料も積まないままで宇宙に飛ばされて餓死してしまったライカ犬のことを思えばへっちゃらだ。そんな風に僕より辛い目に遭って死んだ人はいくらでもいるんだ。」
 そんなイングマル少年だったが、ある日突然母の病状が悪化し、田舎の叔父の家に預けられることになる。そこには様々な出会いがあり…。
 野原で駆け回るサッカー、厩舎でのボクシング、手作りアトラクション、ガラス細工作り、下着カタログの読み聞かせ、大道芸、変な芸術家、届かない電波…。この田舎の、大した娯楽はなくても充実してる感じが最高。特に悪い人間も出てこないし、完全なほっこりムービーとなっている。僕っ娘と主人公のやりとりなんかかわいすぎる。
 人生はもちろん失うものも多いが、そんな事は宇宙で孤独なまま餓死したライカ犬に比べればどうってことない。少なくとも地球にいる限り決して一人じゃない。…そう思う映画だった。
特濃ミルク

特濃ミルク