kawazilikousaku

マイライフ・アズ・ア・ドッグのkawazilikousakuのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

世代を超えて語り継がれている映画。
自分の身に悲しい出来事が起こると、スプートニクに乗せられて、宇宙で餓死したライカ犬よりはマシだ、と考える主人公。
映画雑誌などで、このくだりは必ず見るので、気になりつつも、何となく自分の中でこんな話しだろうと想像して今まで保留してきた作品。
もっと早くに観とけばよかったなと後悔してます。

比較すれば ぼくは運がいい
比較すると 距離を置いてものを見られる
ライカ犬は 物事がよく見えたはずだ
距離を置くことが大切だ

星を見ながら呟くこのシーンに、少年の、比較しなければ、とても普通には生きていけない心の負荷をズシリと感じます。

ママの病気の為、田舎の、叔父さんのもとで暮らすことになった少年。
人前ではグラスに入ったミルクが飲めなかったり、とても多感な子供です。怒られてばかりいたあっちの頃と違って、こっちの生活は長閑で、サッカーで活躍したりとちょっとした人気者です。
一日中屋根の修理をしている人や、下着の広告のページを朗読させるおじいさん、ヌードモデルをしている優しいお姉さん、など、ちょっとヘンであったかな人達に囲まれ、幸せそうに暮らしてはいても、やはり少年の心の領域を占めるのはママの存在です。

ママから遠く離れた距離で、少年の思いは、スプートニクのライカ犬から、一緒に連れて来られなかった愛犬のシッカンへ、そしてママの死へと重なって行きます。

不幸なニュースばかり探していた主人公。
ハッピーなニュースで終わるこの映画。

最高でした。
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