Few

マイライフ・アズ・ア・ドッグのFewのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます


誰かの苦痛を思い浮かべて、
自分の苦痛を遠ざける方法

自分はあまり好きじゃないけど、
距離を置いて考えてみれば、
それも残された者の生きていく術であることは確か。
生き方がちがうだけに、
新しい選択肢を広げてくれる映画だった。
ありがとう!

そして、エンドロールも大好き!

ふしぎだったのは、
一人一人を大して細かく丁寧に語らないのに、
家族と町の人たちがすこし歯車があっていないのがわかるということ。


なんでだろう。
イングマルの愚かさと後悔、いつだって自分が一番可愛く思ってるからこその言動を拾い上げたからかな。


とてつもなく好きなシーンがある。

焚き火がパチパチ音をたてる部屋の中。
イングマルとおばあさんの二人きり。
寝る支度を終えたおばあさんがゆっくりベッドに入ってくる。
シーツに足を滑らせながら、おじいさんが居なくなってからの日々をぽつぽつと語る。
そのシーンが、私の皮膚の上で留まりつづけている。

ぽつぽつ語る、このわずかな空白に、
おばあさんの孤独と生活の移ろい、残された者のあきらめなど、全てがこもっていた。

あのワンシーンに、この映画の良さがしたたるほどに詰まっていた。
Few

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