てつこてつ

お熱いのがお好きのてつこてつのレビュー・感想・評価

お熱いのがお好き(2008年製作の映画)
3.5
2008年制作ではあるが、古さをあまり感じさせない女性目線で実直に作られた良作。

不惑を過ぎ、そろそろ更年期障害に差し掛かったかと悩む姉と売れないシナリオ作家の妹、姉の高校生の娘の三人それぞれの恋愛模様をユーモアとリアルな演出で軽妙に描く。

やはり、妹役のキム・ミニがダントツに輝いていて色々な表情を見せる演技を披露してくれるが、年の離れた若い劇団員からの真っ直ぐな恋愛感情に心揺れ動く姉を演じたイ・ミスクも、この年代のシングルの女性ならではの繊細な感情表現が上手い。アン・ソヒが演じた女子高校生のナイーヴで危うい、恋愛とも憧れとも両方にとれるエピソードは2008年の時代を考えるとかなり新しい。

それぞれの世代の女性ヒロイン達も良かったけれど、男性陣も好演。特に一歩描き方を間違えると嫌味なキャラクターに簡単になり得てしまうアメリカ国籍を持つエリート会計士を演じたキム・ソンスはいい役だったし、最後まで後味が悪くない締めくくりの描かれ方。

ジャケ写やタイトルほどにはお色気路線には走ってはいないものの、この手のリアルな女性の性や恋愛感情を描かせるのも韓国映画は上手いなあ。
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