RyoS

追想のRyoSのレビュー・感想・評価

追想(1956年製作の映画)
3.6
イングリッド・バーグマンが好きというよりも、イングリッド・バーグマンの演技が好き。全身から感情が感じられる(ただし決して溢れ出るわけではなく抑えも生かして感情を感じさせてくる)演技、固い時と柔らかい時の絶妙な表現力に長けている身のこなし、オーバーでもアンダーでもない表情の豊かさ、酔う演技でケロッと変わる声のトーン、何とも言えない時の何とも言えない手と指先、どれを取っても素晴らしいとしか表せない。演技って表現なんだということをこれほど感じさせられる役者は前にも後にもいないだろう。

ロシアを舞台にアメリカで作った映画だが、監督はロシア出身、主演二人もロシアとスウェーデンという本物志向な映画。訛強すぎて最初英語をロシア語と聞き間違えそうになった。訛もロシア語に聞こえるように寄せてるんだろうなぁ。

ストーリーも演出も大したことはないんだけど、部屋の中のシーンのシネスコの使い方は良かった。

映画内で「映画じゃないんだから」とか、メロドラマ内で「メロドラマじゃないんだから」ってセリフ出すの、ブーメラン過ぎてちょっとやめてほしい。でも映画みたいに恋したいですね
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