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追想のかずシネマのレビュー・感想・評価

追想(1956年製作の映画)
3.5
いつも上手い人だと思いながら作品を観るけれど、こちらのイングリッド・バーグマンはその演技力がいかん無く発揮されていて良いなぁ。

彼女が最初から成りすます気満々の偽者であるか(若しくは周りに利用されているだけの哀れな人物か)、偽者臭さを出して黙っているだけの本物か、序盤に方向性をはっきりと決めた方が面白かったかもなと思う。
それは個人的な好みの問題もあると思うけど、本人までもがふらふらしてるのはじれったく思う。
上記でなくとも「記憶喪失でふとした折に記憶が戻り始める」とかそういうパターンでも良い気がするし、こちらはそれとも違い、ちょっとどっちつかずな印象を受けた。
本物であろうと偽者であろうと彼女自身が何をしたいのか、なかなか狙いが見えて来ない感じ。

あと、彼女と将軍が相思相愛な感じを展開からあまり読み取れなかった。
将軍がヤキモチ焼いてんのは可愛らしかったけど。
最後も若干もやっとする。
絆が切れた訳ではなく、むしろ深まったのだろうけど。あの後どうするん…と。
皇太后ばあちゃんとのシーンは全て良かった。
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