ナゼルの夜会

死の十字路のナゼルの夜会のレビュー・感想・評価

死の十字路(1956年製作の映画)
4.0
23.11.11 シネマヴェーラ渋谷

(日記より)
今日観た井上梅次映画も十分面白くて堪能した。江戸川乱歩の小説が基になっているとは、上映が始まるまで知らずちょっとビックリ。乱歩といえばおどろおどろしさ、ねちねちした淫靡さをまず連想してしまい、らしからぬスタイリッシュなサスペンスだなと思った。脚本家と監督の腕の力だろうか。
ストーリのみならず、成り行きで犯罪を重ねてどんどん窮地に追い込まれていく三國連太郎の心理描写も良い。そして最後に訪れる悲劇にはホロリとした。芦川いずみの登場シーンが少なかったのが唯一残念だ。一人二役の大坂志郎が、それぞれの役まわりで二回死ぬところが面白い。