マヒロ

吶喊(とっかん)のマヒロのレビュー・感想・評価

吶喊(とっかん)(1975年製作の映画)
2.0
いわゆる戊辰戦争の最中、百姓上りの2人の青年がひょんなことから戦いに巻き込まれていく……というお話。

ひたすら「楽しいこと」を追い求めて本能の赴くまま行動する青年・千太と、戦う両陣営の間をわたり歩きながら強かに戦争を生き抜く万次郎という対照的な2人を通して幕末の世を描いていく。

獣のように破茶滅茶なノリで戦火を駆け回るエネルギッシュな映画だが、画面で起こってる熱量とは裏腹になんかノリきれず。岡本喜八監督の映画は基本どんなテーマでも生理的に合うなと思うことが多いんだけど、どうも主人公2人に好感が持てないところが大きかったかも。
特に千太の方は欲望に忠実というキャラクターだが、性欲がデカすぎてレイプ魔みたいになっており、最後までそれを貫くので気持ち悪さが優ってしまうし、正直演じる伊藤敏孝という方もあまり華が無く、出ずっぱりの割に印象に残らなかったのもなんとも。

なんとなく苦手な園子温っぽさを感じてしまうところがあって、そこが好きになれない要因だったのかなぁ。同じ岡本監督×ATG製作で、この前に観た『肉弾』は人生ベスト級に好きな作品だったので、変に期待してしまっていたのもあるかもだけど。

(2022.12)
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