Omizu

怪談のOmizuのレビュー・感想・評価

怪談(1965年製作の映画)
4.5
【第38回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
小林正樹監督が小泉八雲『怪談』の「黒髪」「雪女」「耳なし芳一」「茶碗の中」を映画化した作品。

静的で美しい画面づくりや不気味な語り口がとても好みの作品だった。工夫の凝らされた美術や小道具も素晴らしい!

「黒髪」はオーソドックス話しながらわがままな姫の冷酷な眼差しやお歯黒にはゾッとしたし、髪の毛がまとわりつく描写やどんどん老いていくメイクも凄まじい。
「雪女」は集合体恐怖症には辛い、目が監視しているかのような背景がとんでもなく不気味な効果をあげている。
「耳なし芳一」は平家の亡霊が屋敷、廃墟、墓場、そして生前、死体、墓場と形態を変えていくのがよかった。ただちょっと長いかな。最後はお金持ちになってよかったねって…僧侶なのにそれでいいのか?
「茶碗の中」は全編リズム感といい話の展開と言いいい意味で掴みどころがなく怖かった。序盤の近づいてくる描写が好きだった。

4つの中では「黒髪」が一番好きかな。画面構成のセンスやテンポ、美術などとても好みの作品で大満足!
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