ポルりん

機動刑事ジバン 大爆発!!恐怖の怪物工場のポルりんのレビュー・感想・評価

3.3
あらすじ

このところ各地で、不審な事件が相次いで起こっていた。
高いIQの少年・少女の誘拐事件や、ダービーの優勝馬など血統の良い動物、ダイヤなどの貴金属、危険な放射性物質の盗難事件。
しかも事件現場には未知の何者かが動き回った形跡が残されていた。
実は、バイオロンの総統・ドクターギバが、日本の某所に秘密の怪物工場を作り、究極の怪物を創造しようとする、神をも恐れぬ計画を進行中であった。


「機動刑事ジバン」は、平成初のメタルヒーローであり、若くして殉職した刑事がサイボーグ刑事として甦るというものだ。
モロに「ロボコップ」をオマージュした話だが、そもそもその「ロボコップ」自体がメタルヒーローに影響を受けている。
何とも面白い話なのだが、それ以上に凄いのは、敵の犯罪組織バイオロンを取り締まる為の法律「対バイオロン法」だ。
その内容はというと、

・第1条
機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる。

・第2条
機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる。
場合によっては抹殺することも許される。

・第3条
機動刑事ジバンは、人間の生命を最優先とし、これを顧みないあらゆる命令を排除することができる。

・第5条
人間の信じる心を利用し、悪のために操るバイオロンと認めた場合、自らの判断で処罰することができる。

・第6条
子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い。

・第9条
機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる。

というものになっている。
要はジバンが好き勝手に相手を殺す事が出来るという、余りにも乱暴かつ横暴なものとなっている。
こんな法律どこの誰が通したんだよ!!
完全に性善説にたって作られた法律だが、ジバンが真人間じゃなかったらどうするつもりだったんだ??
そもそも性善説で法律を考えること自体、無理があると思うが・・・。

というか、子どもの夢を奪って心に傷を与え入るとたのが一番罪が重いっておかしいだろ!!!
結構よくある事じゃないのか??


子供「ぼく将来、不登校系YouTuberになりたい!!」

毒親「止めなさい!!そんな不安定でみっともないもの!!」

子供「だって楽して稼げるもん!!」

毒親「そんな訳ないでしょ!!オナ禁すら2日しか持たなかったあんたが続けられる訳ないでしょ!!」

子供「うう・・・だって、だって・・・。」

毒親「バカなこと言ってないで早く宿題しなさい!!」

子供「うぅぅ・・・ウワァァァーーーン。゚(゚´Д`゚)゜。 」


どこからかジバンOP曲のインストが流れる。


毒親「ええ?な、なに??」


サビに入ると同時に壁をぶち破って登場するジバン。


毒親「キャーーー!!!」

子供「あー、ジバンだ(棒)。」

ジバン「警視庁秘密捜査官警視正ジバン!!」

毒親「ちょっとあんた何勝手に人の家の壁壊してんの!!お、おまわりさーん!!って、あんたが警察なんかい!!」

ジバン「対バイオロン法第1条、機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる。」

毒親「ええ、な、何??バイオロン??てか、人権ガン無視かよ!!」

ジバン「対バイオロン法第6条、子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い。」

毒親「聞けよ!!何で子供に注意しただけで銃向けられないといけねーんだよ!!てか、それもう法律でも何でもねーし、バイオロン関係ないよ!!」

ジバン「対バイオロン法第2条、機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる。場合によっては抹殺することも許される。」

毒親「ナチスか!!もう完全にバイオロン差別じゃねーか!!てか、あんたがバイオロンかどうか判断するんかい!!!」

ジバン「バイオロンめ、ゆ゛る゛さ゛ん゛!!ダイダロスファイヤー!!!」

毒親「ぎゃぁぁーーーー!!!!」


ED曲が流れながら、公道をバイクで走るジバン。


ナレーション「機動刑事ジバンの活躍によって、子供たちの夢を奪うバイオロンを倒すことに成功した。しかし、世界征服を企むバイオロンはどんな恐ろしい事をしてくるか分からない。頑張れジバン!!戦え機動刑事・・・・ジバン!!!」


恐ろしい法律だ・・・。
間違いなく対バイオロン法を悪用するクソガキが増えるだろう。
学生の進路を控えた中学高校の教師は大変だ・・・。
「魁!!男塾」レベルのアホが試験1か月前に、

アホ「先生、僕、開成高等学校受ける!!」

などと言ってきたら溜まったもんじゃない・・・。
幾ら、最近の腐りきった日本政府でも、「対バイオロン法」だけは通さないだろう・・・。


どう考えても狂った設定だが、同様にキャラクターもなかなかに狂ったものとなっている。


熱いOPが終わり、ジバンが基地に戻るや否や開口一番、パンダのようなロボットにこんな説明セリフを話す。


ジバン「この所不審な事件が続いていたから気を付けていたのに、とうとう子供達までさらわれてしまった。最初の事件は10日前だった。南海村の原子力発電所が襲われ、ウラニウムが奪われ、続いて5日前、ダービーで優勝した馬が牛舎から忽然と姿を消し、そしてその翌日、都内の有名宝石店の金庫が人間とは思えない力で開けられ、大量のダイヤモンドが奪われた。付近にいた人は皆一様に異様な触手を見たと言っている。バイオロンめ・・・!一体何を企んでいるんだ!?」


いやいや、不審ってレベルじゃねーぞ!!
全て連日トップニュースになるレベルの大ニュースじゃねーか!!
ウラニウム強奪なんて、全世界で大々的に報道されるニュースだ。
てか、ただのウラニウム強奪だけでもヤバいのに、原子力発電所内で無数のウラニウムの管から怪しげな煙が出てるのだが・・・。
これってトップクラスにヤバいんじゃないか・・・。
あと、ジバンの口ぶりだと子供たちがさらわれた事が最大級の失態のように言っているが、多分ウラニウム強奪の方がヤバいと思うぞ・・・。

それとあらすじに依ると、どうやら誘拐した子供たちはIQが高いようだ・・・。
一見してみるとアホそうにしか見えないが・・・。

因みにバイオロンはどのような目的でこれらの犯罪行為を犯すのかは、次のシーンでバイオロンのボスのギバが子供たちに説明してくれる。


ギバ「皆、よく聞け!血統優れたサラブレッド、猿、犬、そして猫。これら動物たち、生命力の強い植物、ダイヤにウラン。そして、ピチピチした細胞を持つ貴様ら子どもたちをバラバラに分解し、私の偉大なバイオテクノロジーで新しい怪物に作り変えるのだ。冷酷非情で死ぬ事のない完全なる怪物だ!まず貴様らの良い所だけ残し、別の動物と結合してやる!」


馬→分かる。
ダイヤ→まあ分かる。衝撃には弱いから、持ち前の科学力で粘度さえ高くすれば大丈夫かも・・・。
ウラン→危険すぎるが、まあ何となく分かる。
植物→分からなくはないが、ヒトデとかの方がいいのでは・・・。
猿→ん??
犬→んん???
猫→ふぁぁ???
人間→ピチピチした細胞かよ!


いやいや、わざわざ高いIQを持つ子供をさらって来たのに、欲しいのはピチピチした細胞かい!!
まぁ、確かに脳も細胞だけどさぁ・・・。
なら、わざわざIQの高い子供じゃねくても良くない??

それとさぁ、完全なる怪物を作るんなら猿じゃなくてゴリラの方が良くないか・・・。
犬の種類もドーベルマンとかじゃなくてトイプードルだしさぁ・・・。
猫も可愛らしい子猫だし・・・。
何でいちいち可愛い動物をセレクトしようとすんだよ!!
科学者の考える事は良く分からないが、完全なる怪物は可愛らしさも必要不可欠なのか・・・。
てか、猫と犬の柵の縦格子ピッチが大きすぎて簡単に脱走されると思うのだが・・・。

完全なる怪物ってのは、カーズみたいな奴を言うんだよ!!
とりあえず、「ジョジョの奇妙な冒険」の第2部をもう一回読み直して来い!!

あと、視聴者の大半が違和感を持つと思うのだが、ギバの話している言葉と口の動きが全然合ってない。
まあ、恐らく洋画の感覚でアフレコしたのだと思うのだが・・・。
それとギバが「重戦機エルガイム」のアマンダラ・カマンダラにしか見えないんだけど、これって私だけなのだろうか・・・。


何はともあれ、ジバンは子供たちを救いにバイオロンの怪人工場へ侵入し、無事に動物や子供たちを救う。
そして、腹を立てたギバが怪人工場の自爆装置を起動し、何とか自爆前に子供たちと脱出に成功する。
最近、「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」など、タイトルでネタバレをしている作品が、本作も「機動刑事ジバン 大爆発!!恐怖の怪物工場」とタイトルで壮大なネタバレをしている。
ある意味凄いな・・・。

タイトルといえば、テレビ放送の機動刑事ジバンのサブタイトルが、

1話「僕のかわゆい少女ボス」
2話「大好き!ナオトお兄ちゃん」

などと、おおよそメタルヒーローとは思えない、幼女キャラがメインのロリアニメかと勘違いするものになっている。
「機動刑事ジバン」が深夜放送だとしたら、間違いなくその手の人が鑑賞し、烈火の如くブチギレるだろう。

それと怪人工場を脱出する際に、肝心のウラニウムを放置しているのだが、大丈夫なのだろうか・・・。
怪人工場にウラニウム管が6管くらい置いてあったと思うので、大爆発では済まないと思うのだが・・・。


ここまで批判めいた事を書いたが、バカバカしいながらもそこそこ一家で楽しんで鑑賞することが出来た。
機動刑事ジバンのデザインは見栄えがよくてカッコいいし、「ロボコップ」程ではないにしろ、ロボットの動きをリアルに表現しているので好感が持てる。
また、現代の特撮にはない爆発も本作ではふんだんに使用されているので、観ていて気持ち良くなってくる。
OPとEDも、直球ではあるものの熱い想いが伝わってくる素晴らしい曲となっている。

メタルヒーローに興味があるのなら、是非一度鑑賞してもらいたい作品である。
ポルりん

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