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サラマンダーのPikKaのレビュー・感想・評価

サラマンダー(2002年製作の映画)
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太古の昔から地底深くで眠りについていた火竜サラマンダーが、現代のロンドンで行われている地下鉄延長工事によって深い眠りから目覚め、町と人類を焼き尽くしはじめる。
生き残った人々とサラマンダーとの死闘を描いたサバイバルアクション超大作。

総製作費120億円というだけあって、
スタッフやキャストたちの本作にかける熱量が半端ない。

クイン(クリスチャン・ベイル)やクリーディー(ジェラルド・バトラー)たちの砂埃まみれな風貌がワイルドさとサバイバル感が増して中の俳優たちが更にかっこよく見えてテレビ画面越しにニヤけてしまう。

炎を吐くサラマンダーが襲いかかってくるという展開なので劇中ではあちこちが燃えていたりと火の演出が多いのだけれど、その殆どはCGなどではなく本物。
火力の加減やキャストやスタッフのタイミング、万が一の避難経路確認など入念な打ち合わせのうえで、大量のプロパンを使い、進行に合わせて着火・調整。
ショベルカーのアームに取り付けられた火炎放射器を高い場所から使って空飛ぶサラマンダーの空中攻撃場面に置き換えるなど、そのこだわりぶりが凄い。
炎の威力や持続性を高めるために特殊素材を使ったり、サラマンダーが畑を焼き尽くす場面では耐火ジェルを塗り耐火服着用のスタントマンが激しい炎の中に入るなど、まさに命がけ。

さらに様々な動物の骨格や生態を分析して架空の生き物ながら現実に存在するかのように細部まで追求してデザインされたサラマンダーはCGだけではなく実際に巨大な模型を製作して撮影現場に設置するなど桁違いの規模に驚きと興奮でいっぱいになる。
その製作風景を見て、あらためて本編を観ると一度目の時よりさらに迫力が増す。

砦のリーダーでもあり、家族を失った子どもたちの父親代わりでもあるクインだからこそ誰よりも強く皆を案じたり葛藤や子どもたちに対する親離れのような複雑な気持ちをも繊細に描写されているのでドラマ性も高く、サラマンダーもまるで本当に存在している生き物のようなリアルさがしっかり出ているので没入感が半端ないんです。

サラマンダーは空中にいる時より、
地に降り立って歩くように這い回ってくる時のほうが得体の知れない不気味さが倍増してる気がしてゾッとするほど恐ろしい…
(ロンドン市街での決戦)

前半でクインとクリーディーが子どもたちに『スターウォーズ』でのルークとダースベイダーの父と息子の場面を熱演している姿が超可愛いんです。

\ I am your father ! /
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