たた

フィツカラルドのたたのレビュー・感想・評価

フィツカラルド(1982年製作の映画)
3.9
船頭多くして船山に登る。

…いや船頭1人でも山に登りましたよ!すごいよ!
船つってもカヌーや小さな漁船じゃないですよ、何百㌧もの蒸気船ですよ!これが人力で山を登りきる!

あらすじ
てっきりオペラハウスを造るために密林に行く話かと思ったら、手段のための手段の段階だったですね。
オペラハウスを造る、
ための資金を調達する、
ためのゴム畑を開拓する、
ための山越え、なわけです。
何がフィツカラルドの情熱を支えているのか…考えるよりクラウス・キンスキーの顔面力を見たほうが早いですね。
あの風貌は、もう反則です、ずるい。顔だけで狂ってるのがわかる(素晴らしい)。

にしてもあの山越えを本当の本当に特撮一切なしでやり遂げたって、もう言葉が出てきません。
船の山越えに挑戦しやり遂げたのは主人公フィツカラルドでもあり、それはそのままヘルツォーク監督の姿に重なるわけですねなるほど。
メイキング映像があればそのままドキュメント映画として成立しそうです。

大作映画なんかで、映画のためだけに街を丸ごと作ってぶっ壊したりなんて聞いたことありますが、そういうのとは方向が違うような気がします。
情熱とか狂気とか信念という言葉では足りないような。

トラブルやら降板やら紆余曲折あって、キンスキー主演になったらしいですが、最初から彼で良かったのでは。

顔面力と言えば、種類は違いますがオクタヴィア・スペンサーの顔もずるいと思う。反則。いるだけで場が成り立つ顔。
たた

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