96分間、手持ちカメラで全力疾走!!
深作欣二×笠原和夫(仁義なき)最後の映画。
仁義や正義は、権力、政治、組織を前にして無力となる。
やるせない。
ヤクザ映画では珍しく、在日韓国や満洲からの引き上げ民に焦点を当てている。
それぞれが、壮絶な経験をして、止むに止まれず、ヤクザ社会に入っているが、所属しているコミュニティがヤクザというだけで、人間扱いされない。
だが、同じ赤い血の通った人間だ。
それを理解した現場の警察官 渡哲也演じる男が、手助けをしようとするが、その想いは無残にも組織や社会に引き裂かれる。
こうして砂の器のような戦後社会の不条理と、その救済機関として存在してきたヤクザ組織を、詳細に描く。
殴り合いを前にして、バナナを頬張りながら、笑う警察署長のサイコパス感がたまらなく好き。