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警視庁物語 ウラ付け捜査のcatmanのレビュー・感想・評価

警視庁物語 ウラ付け捜査(1963年製作の映画)
3.9
1963年公開のシリーズ第20作。演出が従来よりも劇的、ドラマチック。撮影技法にも拘りが感じられ、カメラが結構主張して来る。自分にはちょっと合わないというか、本シリーズには些か相応しくないとスタイルだと感じる。普段は冷静な堀雄二/長田刑事が事件解決に執念を燃やしたり、飄々とした台詞回しが持ち味の花澤徳衛/林刑事が戦争前後の捜査方法の違いに強めの口調で私見を述べるシーンも違和感がある。そもそも、昔殺害した女が枕元に幽霊になって現れて恐ろしくなったという男の自白が物語のきっかけという設定からして異色で、これがシリーズ初起用となる佐藤肇監督はオカルト系が得意だと聞いてナルホドとなる。全体的にセットでの撮影が目立ちロケ地に乏しいのも残念で、終盤に新潟の小千谷へ舞台を移すものの、さほどその効果を発揮しているとは思えない。あと刑事部屋が異常に狭いのは何か狙いがあるのだろうか。菊池俊輔の音楽もやっぱり自分は苦手。
MVPは街の通りで捜査中にぶつかりそうになった子供にボソっと「あごめんちゃい」という須藤健/渡辺刑事。アパートの管理人、沢村貞子が今回も良い味を出している。そしてやっぱり八代万智子が綺麗。58分。
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