TAK44マグナム

戦闘少女 血の鉄仮面伝説のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

戦闘少女 血の鉄仮面伝説(2010年製作の映画)
3.8
想像を絶するバカたちが血飛沫あげて、ぽぉうっっっ!!!


「電人ザボーガー」の井口昇!
「蠱毒ミートボールマシン」の西村喜廣!
そして、仮面ライダーを変身もせずに徒手空拳でボコれる地上最強の現役忍者であるTAK∴!
この3人が共同でトリプル監督(それぞれが1章〜3章の撮影を担当するリレー形式)、特撮ヒロイン出身の杉本有美、森田涼花、高山侑子をトリプル主演に迎えて製作された、SF美少女バトルアクション!
ブッ飛んでいて面白いですけれど三者三様のカラーが微妙に統一感を削いでもいるので、これは連続ドラマの方がしっくりきたような気もします。
また、人体破壊に比重をおいたギャグも人によっては合わないかも。
って、それはいつものことではありますが・・・(苦笑)


眼鏡っ娘JKの杉本有美が16歳になる誕生日から物語は始まりますが、のっけから脳みそが飛び出るほどショッキングな場面が目白押しで、西村監督お得意の血飛沫ピューピューもいつもより大盤振る舞いに感じます。
因みに、脳みそピョーン!も本当にありますよ!


学校ではいじめられっ子の凛(杉本有美)は、それでも家では明るく装っていた。
優しい両親(津田寛治といとうまい子)に心配をかけるわけにはいかなかったのだ。
16歳の誕生日、やはり陰湿なイジメにあった凛の身体に異変が起きる。
帰宅すると、バースデイケーキが用意されており、父が重要なことを告げなければと、凛に驚くべき事実を話し始めた。
自分が人間ではなく「ヒルコ」と呼ばれる種族だということ、そして凛にもその血が流れているという事を。
服を脱いだ父の乳首と股間からは得体の知れない生き物が生えていたのである。
その時、ヒルコ族を狩る目的で日本政府が組織した特殊部隊が乱入、母の頭部は破裂し、父は首をはねられ、生首がケーキのデコレーションと化した!
凛も狙われるが、体の奥底から湧き上がるパワーが、右腕を怪物化させるのであった!
ウクライナ流剣術を操る隊長が迫るが、凛の父は最後の力を振りしぼって身体を動かし、琉球空手で対抗する。
「おまえは逃げろ!」
凛は後ろ髪を引かれながらも脱出、街の商店街をさまよう。
一体何が起きているのか?
自分は人間ではないのか?
一瞬にして愛する家族を失った凛に、さらに苛烈な運命が待ち受けていた!
殺意極まった商店街との死闘を経て、自らをヒルコを導く者とする白塗りの侍「如月」に「ヒルコ解放の戦士となれ」と連れて行かれた先には、同じような境遇の少女戦士たちがいた。
ヒルコの力が覚醒しないと外れない鉄仮面をつけられた凛は困惑するが、他に行くあてが無いのも事実であった。
一際、人間を憎む玲(高山侑子)に師事し、戦闘能力を開花させてゆく凛。
何故かナースのコスプレをしている佳恵(森田涼花)とも仲良くなり、ついに鉄仮面が外れた凛に、如月が初任務を言い渡した。
それは、ヒルコ抹殺の急先鋒である防衛庁長官の抹殺。
疑いもなく、凛は佳恵と共に行動を開始するのであったが・・・


・・・といったストーリーは、よくある漫画みたいにベタであり、特に可もなく不可もなくなのですが、粉飾された世界観やディティールの類が色々とトチ狂ってます(苦笑)
ゲテモノ趣味のスプラッターアクションなので、兎にも角にも人体が一筋縄ではいかないほどに破壊されまくりますよ!
縦一線に真っ二つなどは当たり前、顔が三分割されてグルグルとスロットのように回ったり、溶解液で溶けて骨になったり、次から次へと四肢がチョンパ、脳みそや目玉はポンポン飛び出し、阿鼻叫喚の地獄絵図がまるで軽いジョークのように視界全体を覆い尽くすのDEATH!
真っ赤な血飛沫に染まる、染まる、染まりまくりですよ!
なぜか、白い制服や強化戦闘服は白いまんまだけども!

大体ね、高校の制服着たJKを野人って決めつけるなんざ、商店街の連中からして頭に変な虫でもわいているんじゃないのか。
あんなに可愛い杉本有美なのに!
しかもなんで一般市民が徒党を組んで襲いかかってくるのよ?
生まれ変わったらフランスパンになりたいパン屋さんは超ウケたけれども!
なんじゃありゃ(笑)
フランス人が観たら拍手喝采なのだろうか?

ヒルコ少女隊の連中も相当濃い。
TAK∴さん演じる如月含めて、変態濃度がハンパない。
なんだよ、ケツからチェーンソーって(笑)
鉄腕アトムのケツマシンガンかよ!
というか、鉄腕アトムのバッタもんみたいなのも出てくるけども!
リスカしたり、手足が飛んだりしますけども!
何なら、それに乗って杉本有美が「ダークスター」みたいに空中サーフィンしますけども!
他にもおっぱいから日本刀とか耳から手が生えているのとか腹が化け物とか、訳の分からん特殊能力使いがおりますが、ただおめでたいだけのヤツは何だったの?
あれは何の能力なんだ(苦笑)
あと、彼女らが使う自爆ベルトが仮面ライダーの変身ベルトにクリソツなのは深掘りしちゃいけない事情でもあるのかな(汗)

TAK∴さんも、人を捨てた演技に脱帽するしかないのですが、さすが剣技は素晴らしいですな!
ただただ、変態でしたが!
白塗りの侍姿は、ほとんど京本政樹みたいでしたけれど!

敵となる島津健太郎や亜紗美も良い感じにイロモノでしたね。
必殺兵器を着用した島津健太郎、ケツに刀をぶっ刺されて「食人族」のポスターみたいになる亜紗美・・・仕事を選ばず最高です!
亜紗美姐御の女優引退は本当に寂しい限りですよ。

その他、竹中直人はいつもの如くだし、津田寛治は安定の真剣なるバカ演技が素晴らしく冴えています。
出番は少ないものの、幻想シーンでさえ生首ケーキのまんま登場するし、強烈な印象を無理やりに残していますね。
それにしても、いとうまい子は津田寛治のどこに惚れたんだろうか・・・?
たしかに脱いだら凄い。脱いだら乳首や股間からヌロヌロしたチェストバスターみたいなのが生えとるわけで、凄いことは凄い。
けれども、それは一般的な価値観での「凄さ」とはかけ離れているような気がするのですが!
あのお母さんの嗜好がクレイジーだったってことなのか(汗)
もしかして顔に似合わず、エイリアンとかデッドリースポーン好きだったのかもしれない。

そんなおかしなところが星の数ほど散りばめられた作品なれど、主演3人は至って真面目そのもの。
真摯な演技に徹しています。
というか、3人だけマトモなキャラクターなんですね。
これはもう、本作が「異物ばかりの世界でもがき苦しむ清廉な女子が格好良く暴れる」というコンセプトだからなのでしょう。
たぶん!

両腕がクレクレタコラみたいになる森田涼花も不気味キュートで凄いですが、何故か百合っぽい雰囲気になる杉本有美と高山侑子の場面は恥ずい。
そして、ものすごいスピードで改心する高山侑子(苦笑)
テキトーすぎて笑えます。

怪獣みたいに暴れまくるTAK∴さんと3人の決戦は最終的にエロティシズムを喚起させるわけですけれど、いやはやくだらない!
エログロとはよく言ったもので、エロとグロは表裏一体。
飛び散る血やTAK∴さんの腹刀が何のメタファーなのか、分かりやすくて中二脳っぽい(苦笑)
それからエロと言えばですね、個人的な嗜好からすると「スケバン刑事」や「片腕マシンガール」のように、ずっと制服のまんまで戦ってほしかったです。
途中から強化スーツ着ずっぱりになってしまい、露出度が大幅に減少してしまいますので。
特に杉本有美はゴーオンシルバーだった頃から美脚でならした逸材。強化スーツも生脚だったら良かったのですが。
そういった汚れた欲望からすると、制服で戦う商店街でのバトルが一番見応えありました。
やっぱりJKたるもの制服ですよ!
あの制服こそJKの戦闘服じゃないですか!
ちなみに、セーラー服よりもブレザーの方が好みです(←どうでもよい情報)!


あと、非戦闘時は眼鏡もそのまんまでいて欲しかったのにな。
杉本有美は眼鏡っ娘も似合う!という発見は有り難かったです。


そんなわけでダラダラと書き連ねてきましたが、TAK∴さんがアクション監督なのでクオリティ高いし(後半は肉弾戦の比率が下がって少し残念)、美少女たちのバトルものとしては(訳が分からないながらも)異様なテンションと地に足のついたアクションが程よい融合をはたした、ピチピチのお肌みたいに弾けるような一作でした。
主演3人のうち、誰か一人でもファンなら必見でしょう。
勿論、「RE:BORN」とは180度違う、お茶目なTAK∴さんお目当でも良いでがすよ〜!


ゲオ宅配レンタルにて