みおこし

ザッツ・ダンシング!のみおこしのレビュー・感想・評価

ザッツ・ダンシング!(1984年製作の映画)
4.0
『オズの魔法使』でブリキ男を演じたスターであるジャック・ヘイリーの実の息子さん、ジャック・ヘイリー・Jrが手掛けたミュージカル・ドキュメンタリー。本作の存在を恥ずかしながら知らなかったのですが、1930年代以降のミュージカル映画がお好きな方にとっては掘り出し物の1本!『ザッツ・エンタテイメント』シリーズとはまた違ったアプローチになっていて、映画誕生以前の”音楽の誕生”から、当時の最先端だったマイケル・ジャクソンの”Thliler"まで一気に紐解くというかなり斬新な作り。トーキー映画黎明期、フレッド・アステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドなど、ミュージカル映画史における重要なポイントや人物を貴重な映像とともに細かくフィーチャーしてくれるので、古いミュージカル作品の入門としてもオススメです。さらになんとバレエの歴史まで紹介してくれたりと、広い意味でのダンス・舞踊へのアプローチがすごく勉強になります。
本作もいくつかのチャプターに分かれているのですが、その案内役も非常に豪華で、ジーン・ケリー、ライザ・ミネリ、ミハイル・バリシニコフ、そして『オズの魔法使』のカカシ役でも知られるレイ・ボルジャーも登場。当時すでに他界されていたお父さんの面影を知るボルジャーにあえて監督も出演を打診したのかもしれませんね。

厳選された有名シーンをテンポよく紹介してくれるのであっという間。「え、もう終わり!?観たい!!」と思わずなること請け合いの素敵なドキュメンタリーでした。ヘイリー・Jr監督が愛してやまないダンスの世界へのリスペクトが感じられました。
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