マーフィー怒りの鑑賞

狼の挽歌のマーフィー怒りの鑑賞のレビュー・感想・評価

狼の挽歌(1970年製作の映画)
3.2
エンニオ・モリコーネによるテーマ曲が印象に残る。ここぞという時にかかるのがベタだが良い。当時50歳手前のブロンソンの引き締まった筋肉も凄い。

主人公が自分の犯行写真を撮った人物を探す手がかりとして、現場に落ちていたタバコの箱(といってもハードケースじゃなくてソフトケースね)を手掛かりにする描写がある。フランスの有名なタバコブランド、ゴロワーズだ。「なんかゴロワーズの箱が出てくる映画、他にもあったな」と思ってすぐに思い出したのが「ダイハード」である。

ウィキペディアの「ゴロワーズ」の項目にも書いてある話だが、「ダイハード」ではマクレーンがゴロワーズの箱を見つけ、欧州の人気タバコなので「犯人は恐らく欧州人だ」と推察するシーンがある。もしや「狼の挽歌」は、「ダイハード」のこのシーンの元ネタだったりする?

ブロンソンが女に振り回され過ぎな気が(笑)見てくれは良いけどマフィアのフロント企業を乗っ取ろうとするような超ヤバい女に、あそこまで惚れ込むのは謎(笑)

007のブロフェルドを演じた事もある悪人顔のテリー・サバラスが放つセリフが最高。

「女ってのは中々おもしろいもんだ。最低の女でもなんとか格好をつけたがる。上っ面だけはよく見せたがるよ。あれは時々浮気をしに出かけるが、俺が感づいていようがいまいがお構いなしだ。たまに帰ってくるとゴマかそうとして嘘をつく。完璧にデッチ上げて、見事なほど芝居をしてみせる。名女優顔負け、偉大な芸術家だよ。ハッハッハッハッハッ。さぁ飲もう、ワイフの偉大な才能に乾杯。」

まぁ主人公がほれ込むのもこういう理由なのかもしれない。しかし凄い言いようである(笑)吹き替えのハマりっぷりもあり、爆笑してしまった。
またこのセリフに対するブロンソンの

「喉は乾いてねぇ」

というぶっきらぼうな受け答えも最高だった(笑)あれだけ面白い事を言われてるのに、クスリとも笑わない。「絶対に笑ってはいけない」で優勝できるだろ(笑)こういう皮肉たっぷりなブラックユーモアもアクション映画の醍醐味。