けーはち

狼の挽歌のけーはちのレビュー・感想・評価

狼の挽歌(1970年製作の映画)
3.3
一匹狼の殺し屋チャールズ・ブロンソンが惚れた女ジル・アイアランドを取り戻そうと戦うが、実は女は自分を裏切り、周りの男達は女に操られていた、というハードボイルド男&悪女主軸のイタリア製クライム・アクション・スリラー。冒頭訳も分からず追手を撒く逃走劇や、狙撃対象の走行中のカーレーサーをベストポジションで迎え撃つための準備をするシーンや、ラストのエレベーター越しに狙い撃つ無音の狙撃シーンなどは、所々ゴルゴ13ばりのプロの格好良さが光るのだが、全体的に人間ドラマのやりとりが時代柄モッサリしているのは否めない。イタリア映画と言えばマカロニで散々鳴らしたモリコーネの曲だが、本作はスパイアクション風の軽快さに不穏な弦楽、歪み効果のギターでまとわりつくような音の厚みが加わりブロンソンのクドい男臭さに良くマッチしている。