映画史上最初の人間狩りホラー。「キングコング」(1933)のスタッフ・キャストで同時に制作された一本。原題は「The Most Dangerous Game」。
※1970年前後に起こったゾディアック連続殺人事件の犯行声明に本作の台詞が引用されていたことも有名。
高名なハンターのレインスフォードを乗せた客船が南米沖で座礁。他の乗員が鮫に食われる中、一人だけ孤島に泳ぎ着く。たどり着いた屋敷には主のザロフ伯爵、数日前の難破で漂着したイブ（フェイ・レイ）と兄がいた。狩りを愛する伯爵は「最も危険なゲーム」を提案する。。。
スリルが止まらないジェットコースター型のシナリオ演出であっという間に観終わった。全尺６3分の中に、船爆発、サメ、孤島、ゴシック城、謎の伯爵、怪しい使用人、美女、地下室、猟犬、ジャングル、底なし沼、巨大滝・・・と、エンターテイメントな要素が詰め込まれている。サバイバル映画フォーマットの先駆ではないだろうか。
映像もしっかりとしていて怪奇ムードたっぷり。1930年代のフィルム質感ともよくマッチしており現在では再現不可能なアナクロな魅力があった。ジャングルのシーンは「キングコング」の巨大セットを流用しているとのこと。惜しいのは音声が不安定だったことだが、自分の視聴した日本語語字幕DVDの品質の問題かもしれない。
後に何度もリメイクされる古典ホラーの名作。
※ゾディアック事件の犯行声明に引用された台詞
I Like Killing People.
Because It Is So Much Fun.
It Is More Ｆｕｎ Than Killing Wild Game In The Forest.
Because Man Is The Most Dangerous Animal Of All To Kill.
私は人殺しが好きだ
森で狩りをするよりずっといい
なぜなら人間こそ最も危険な動物だからだ
