シリアス映画好き

トレーニング デイのシリアス映画好きのレビュー・感想・評価

トレーニング デイ(2001年製作の映画)
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個人的に好きなアントワーン・フークア監督の作品ということで観ました。

デンゼル・ワシントンがオスカーを受賞した本作はロスのスラム街が非常に忠実に描かれていて、アロンゾという人物像がデンゼル・ワシントンの演技力からより深さを増し、LAPDのどんなモラルも通用しない荒れきった麻薬捜査の最前線とその舞台であるスラム街が非常に上手く噛み合い、描かれていました。

デンゼル・ワシントン演じる悪徳刑事アロンゾはやってることは非合法で悪徳なことですが数々の麻薬界の大物を捕まえてきて世の中に貢献したきたことも事実

「狼を倒すには狼になるしかない」
「羊を守るために狼になるんだ」

やってることは非道だけれどこのアロンゾの考えにも一理ありアロンゾを完全な悪だとは言いきれない所もこの作品の面白さの一つだと思います。
正義に対する考えが全く違うジェイクとアロンゾの会話からも純粋な正義では通用しない麻薬捜査の最前線の複雑さが伝わってきました。

正義と一言にいっても色々な意見、考えがあり、それについて善と悪を簡単には二分できない本作は正義について深く考えられる良い作品でした。

(デンゼル・ワシントンの悪役の演技も楽しめました。
個人的に伏線を完全には回収できていないように感じたラストは少し残念でした。)