ブルックリンに住む老女姉妹は慈善事業と信じ12人もの人々を殺していた。そこに結婚の報告にやってきた甥のモーティマー(ケーリー・グラント)が死体を発見しパニックに。さらに彼の兄ジョナサンと外科医アインスタイン、新たな死体、警察が登場して大混乱になる。
心温まるヒューマンコメディの天才、フランク・キャプラ監督作品だが、他とはちょっと趣向の違うドタバタブラックコメディだ。
主演のケーリー・グラントは、「赤ちゃん教育」や「フィラデルフィア物語」を思わせる、騒々しくやり過ぎ感満点の演技を見せる。
作風は「我が家の楽園」にやや近いものがあるが、狂気が遺伝するとか、変わり者は施設に送り込むとか、兄弟を殺すとか、とにかくブラック過ぎて素直に笑っていいのかためらってしまう。
なかなかついていくのが大変だったが、最後にはどんな犯罪者も狂人も、温かく受け入れてハッピーエンドにするあたりがフランク・キャプラだ。
ちなみに死体の映像は出てこないのでご安心を。