ABBAッキオ

未知への飛行のABBAッキオのレビュー・感想・評価

未知への飛行(1964年製作の映画)
4.3
 1964年アメリカ。UNEXTにて視聴。キューバ危機から2年、キューブリックの傑作「博士の奇妙な愛情」と同じ年、シドニー・ルメット監督が風刺ではなく正面から事故による核戦争の恐怖を描いた作品。原題Fail-Safeは、万一の時の安全管理のことで、アメリカの対ソ攻撃時に一定線を越えたらいかなる直接通信も受け付けない、というシステムのこと。ソ連の新型妨害電波の影響を受けてアメリカの爆撃機が誤信号を受け取り、モスクワへの水爆攻撃命令として北極海を飛行。誤信号を訂正できないアメリカは大統領が中心となってソ連議長、米側高官と共に回避策を探るが、という作品。大統領役ヘンリー・フォンダを中心に迫真の演技で思わず引き込まれ、手に汗握る。結末は当時の雰囲気を示しているのだろう。キューブリック作の影に隠れているが今改めて見ても古くない名作だ。
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