ストーリー展開は同年、同社製作の「博士の異常な愛情」とほとんど同じで、訴訟戦術により「博士~」が8カ月先に公開することになったこともあり、本作は「博士~」と比較し興行的に失敗しているが、評論家筋の評価は高い。
「博士~」が風刺コメディの内容であったのに対し、シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演で分かる通り、本作は非常にシリアスな内容。現在の軍事技術からすれば、60年前の本作のような単純ミスはあり得ないと考えられるが、そこは時代の流れとして許容しつつ鑑賞。
「博士~」は軍部のバカバカしい偏執狂的考えからの軍部の暴走に主眼が置かれているが、本作では、いかに地球上での全面核戦争を避けるかというアメリカ側の苦悩に焦点が置かれている。
フォンダの硬質な演技がアメリカ大統領という重さを十分に感じさせ、ウォルター・マッソー演じる憎々し気なタカ派の教授が良いスパイスとして作用し、衝撃的なラストは「博士~」に比肩するほどであり、決して「博士~」に劣る作品ではないと思う。