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大災難P.T.A.のMASHのレビュー・感想・評価

大災難P.T.A.(1987年製作の映画)
4.5
日本だと感謝祭自体に馴染みがないからなのか、ジョン・ヒューズの中でも埋もれている印象。だがアメリカでは感謝祭テーマにした映画の代表作だけでなく、コメディとしても傑作とされているらしい。実際観てみるとその評価も納得。意地悪なのに心温まるコメディの名作だ。

感謝祭までにシカゴにいる家族の元に帰ろうとするニールにこれでもかと不運が降りかかる。そんな中たまたま知り合ったデルと共に珍道中を繰り広げるというお話。不運と言ったが、この映画の主人公に降りかかる災難はもう酷いもんだ。ネタバレになるので具体的には書かないが、主人公同様笑うしかないくらい意地悪な展開がたくさん。この絶妙な意地悪さが綺麗に笑いに繋がっているのだ。

この手の映画でイライラせずに大笑いしながら観られるのは、やはり役者陣の力量が高いからだろう。スティーブ・マーティンの神経質でイライラしながらも、心の底の優しさがチラチラ見える演技は、理不尽な目に遭う主人公が絶妙に可哀想で笑えてしまうというバランスをうまく作っている。またジョン・キャンディも無神経でトラブルメーカーながら優しくて憎めない、そしてどこか悲しげな演技がラストにホロリとさせる。

主人公が理不尽な目に遭うタイプのコメディは割と好みだが、これはその中でもとにかくバランスがいい。主人公のイライラが伝わりつつ、そのリアクションに思わず笑ってしまう。世間の意地悪さが露骨に出るからこそ、隣にいる人に優しさに感謝したくなる。ちょっと嫌なことが続いた時に観たくなる映画だ。

Fワードのシーンは最高🤣
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