もとまち

早春物語のもとまちのレビュー・感想・評価

早春物語(1985年製作の映画)
3.8
生理的嫌悪感MAXのキショい題材(いつの時代もおっさんとJKの恋愛はウケる)にはドン引きしつつも、映画的としか言いようがないシークエンスの連続にシビれまくり。出だしからさらっと流麗な長回しをブチかまし、役者の綿密な動線と滑らかなカメラワークであっという間に画面の中へと引き込まれる。俯瞰+ロングショットのキメ具合がいちいち半端ない(林の中で再会するとこヤバい)し、湿度の高い仙元ブルーも本当に良い感じ。終盤のねっとりキスシーンとかキモすぎてオエッてなるけど、廊下の奥行きと窓越しに青く光る雨が美しすぎてそんなんどうでもよくなる。曲がり角をグルっと回り込んで、遺族と参列者を捉えた縦構図になるシーンのワンカットもすごい。長回しを感じさせない自然さが常にある。久石譲の音楽は拭いがたいジブリっぽさ。最初の曲なんかラピュタかと思った。
もとまち

もとまち