ジャカケン

早春物語のジャカケンのレビュー・感想・評価

早春物語(1985年製作の映画)
4.3
デビュー以来の原田知世のファンですが、俳優としての原田知世出演作で最も優れた作品だと思います。澤井監督が薬師丸ひろ子をアイドルとしてでなく女優として開花させた「Wの悲劇」の後、原田知世にも同じことをするべく、角川春樹に頼まれたであろう背景がうかがえます。厳しい監督の要請に頑張って応えようとする原田知世が垣間見えます。そんな原田知世のファンとしての要素は抜きにしても、背伸びをしながらも失恋の痛みを必要以上に重く感じてしまうピュアな心と仕事で崖っぷちに立たされた中年男のひと時の恋が非常に丁寧に描かれている秀作です。またバブルになりかけの80年代の東京、鎌倉を堪能出来る作品です。最後に、主題歌の早春物語も初期の原田知世の最大傑作だと思います。
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