ShinMakita

白昼の襲撃のShinMakitaのレビュー・感想・評価

白昼の襲撃(1970年製作の映画)
2.4
少年院あがりのバイト青年・修は、街で出会った女・ユリコをナンパして恋仲になった。ある夜、彼女がウリをやっているクラブに顔を出してみると、そこには昔馴染みの弟分・サチオがいた。サチオは米軍基地幹部の息子ジョニーと親しく、モノホンの拳銃を手に入れていた。修は狂喜し、サチオとユリコを連れて拳銃を振り回してはケチな強盗を繰り返す。しかし、茅ヶ崎で金持ち学生からクルマを盗もうとした時に反撃され重傷を負ってしまった。学生たちを撃ち殺し、警察に追われる修…そんな彼を助けてくれたのは鳴海という男。鳴海は元学生運動リーダーで、「組織」の幹部だった。鳴海に恩義を感じた修は、彼の元で働き始めるのだが…


「白昼の襲撃」


西村潔監督、幻のハードボイルドアクション。黒沢年雄がカッコいいのは知ってましたが、無軌道なアウトロー役となると、千葉真一よりも洗練されていて脂分が少ないドライなアクターであるのが判りました。ユリコ役の高橋紀子が抜群に美しく、黒沢と並ぶと日本映画っぽく無いビジュアルで楽しかったです。最初は「俺たちに明日はない」みたいな話かと思ったら、岸田森が出てきて話がややこしくなってきます。人生を享受する同世代の若者たち、大学に通うインテリ、小金を持つジジイたちに怨嗟の銃を向けていく修。その暴走がトランペットの狂騒と相まっていく後半に熱くなりました。ブローニングHPとP38の排莢が無いのが残念ですけど…傑作!
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