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白昼の襲撃のENDOのレビュー・感想・評価

白昼の襲撃(1970年製作の映画)
4.5
やり場のない透明な閉塞感…自ら敵を生み出し最初から死に場所を探している若者の無軌道さは何処までも虚しい。冒頭の若者へのインタビューの音源が男女の出会いのハイライトになる編集のcoolさ。岸田森の不具な感覚、葛藤の末逆に殺される即物生…殺し屋集団とか名前だけ出てきて全くわからない不明瞭で倒錯した世界!何処までもお花畑の男と根を下ろしたがる女との奇妙な三角関係。背水の陣で修がユリ子を切って佐知夫を選ぶ線引きに震える。埠頭のblood orangeに差し色として映えるblueの鮮やかさはシラケ世代のやり場のなさ。現在では脱出するサモアの島もない。南部連合の国旗みたいなBARの壁とユリ子の電話ボックスへの顔面押し付けなどいちいちヤバい。冒頭のジージャンでトランペットを吹く日野皓正が最高に熱い。白スーツの黒沢年男もキマリ過ぎだ。
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