和桜

ロスト・イン・ラ・マンチャの和桜のレビュー・感想・評価

3.3
数々のアクシデントによって撮影中止に追い込まれたテリー・ギリアム監督の『ドン・キホーテを殺した男』。この舞台裏を写したドキュメンタリー。
ただしこの作品はギリアムの嘆きそのものなので、ゴタゴタのあった役者側からの言い分が不足している点には注意が必要。

今作を見てから何年がたったか、構想10年とドキュメンタリーが撮られて20年の時を経て今年の一月にようやく『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』を映画館で鑑賞。コロナの影響で新作をあまり見られなかった影響もあるけど、未だに今年のベスト1に置いてるくらい最高だった。

「頭の中では何度も完成させているが、想像に留めておくべきかも」と何度も弱音を吐いていたギリアム監督。
彼はやはりドン・キホーテに狂気の中にいて欲しいと願った側であり、彼自身もまた正気を取り戻せば死んでしまうと戦い続けてきた人なんだと生き方そのものが語ってる。ウェルズが囚われ未完に終わった、「ドン・キホーテの呪い」をよくぞ解いてくれた。
また誰かドン・キホーテに囚われた監督が現れないかなと期待しながら、撮っていたならこのドキュメンタリーの続きを是非また公開して欲しい。
和桜

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