ダーク魔カスコス

アタック・ザ・ブロックのダーク魔カスコスのネタバレレビュー・内容・結末

アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

アタック・ザ・ブロック
〜ロンドンの団地怖ぇ!〜

治安が悪すぎて私なら半日で泣いて引っ越すレベルの団地を、さらに治安の悪いエイリアンたちが襲います。そんなエクストリーム団地を舞台に、ジョン・ボイエガが戦ったり逃げたりするモンスターパニックの良作です。

主人公たちは団地の悪ガキ共。悪ガキというかクズ犯罪者なので、本来なら大嫌いな連中ですが、描き方が上手くて嫌いになるどころか気に入りました😃

登場人物のキャラもよければ関係性も面白いです。ヒロインは主人公たちの強盗被害に遭ったお姉さん。エイリアンさえいなければ完全に敵同士な彼らが、エイリアン相手に手を組むのが楽しい。

ここに犯罪グループのボスや呑気な麻薬中毒者が加わって、ワイワイ楽しく死闘を繰り広げます。

エイリアンのデザインが最高。闇世に光る蛍光色の歯がおしゃれです。歯垢が溜まってるぞ歯磨きしろ。時たまやたらグロいのも容赦がなくていい。


続編が決定してるらしいけど、まだかなあ。楽しみです😊


⚠️以下ネタバレです⚠️


これぞ悪人が主人公の模範的映画ですよ。悪人だけど愛嬌も人情も事情もあって共感できるし、悪行の報いはしっかり受けるし、ちゃんと反省して命懸けで償います。最終的にはヒーロー。これ以上は無理やろってくらいの主人公の成長譚ですよ。


🎬意外と優しいのね
冒頭から強盗かますクソ野郎集団。こんな奴らはとっとと死んだ方が世のため人のためだと思っていたら、意外と常識人で優しいんですよね。

エイリアンだやったぜ!とエイリアン退治にはしゃぐ様子はバカすぎてかわいいし、イカれたボスの車に衝突した時はヒロインを逃がそうとするし、根っからの悪い奴らでななさそう。

きっと環境が悪かっただけです。


🎬ヒロイン
最初は弱々しいヒロインでしたが、足の治療をしてからは立場が強くなって、主人公たち相手にけっこう言いたい放題で面白かったです😆

ボイエガ「住民だと知ってたら盗らなかった」

ヒロイン「住民じゃなかったら盗るのかよ」

主人公のふざけた価値観にちゃんとツッコミ入れてくれるのでスッキリします。


🎬報いと償い
主人公メンバーのうち2人が死んでしまいます。しかもけっこうグロい。なんの報いもなくハッピーエンドを迎えられてもモヤモヤするし、誰も死なないのはモンスターパニックとして欠陥ですから、なかなか良いバランス感覚ですよ監督。

「家でゲームでもしてればよかった」と後悔する様子や、ラストに命をかけて償う様子から、今後の彼の生き方は大きく変わるだろうと確信させてくれます。

本気の悪人はしっかり一番グロい死に方をするのが素晴らしい。子供たちの生き方を歪めてる張本人ですからね。


🎬超黒
ベンタブラック(世界一黒い素材)でできてんのか?ってくらい黒いエイリアンがカッコよいです。蛍光色の歯が魅力を引き立てます。

生態も面白いです。最初に殺した小さいのはメスで、オスが集まってくるのはそのせいだと分かります。しかもオスを惹きつけるフェロモンにも蛍光色が使われていて、納得感が強い。よく考えてありますね。

つーか、オスのサイズと数がメスを圧倒しすぎててヤバい。本来始まってたはずの乱行パーティにどうやってメスが耐え切るのか知りたい(笑)絶対メス死ぬよね🤣


🎬弱いぞペンタブラック!
このエイリアン、団地の壁を登ってくるくらいだから、パワーはライオン以上でしょう。

その割にはナイフの一撃で簡単に死にます。女子ーズにスケート靴で殺される情けない個体もいます。俊敏さと耐久性に欠けますなあ。

メスフェロモンがついてない生物には見向きもしないのも侵略者としては欠陥ですね。動いていても冷たいものには反応できないプレデターさんくらいに欠陥😅

もしも1000万体がイギリスに降り注いだとしても、イギリス国民だけでなんとかなりそうですね。リプリーなら1人で全滅させるでしょう。


🎬イギリス万歳!🇬🇧
最後にイギリス国旗にぶら下がってるところが爽快です。愛国心の前ではエイリアンなど無力よ!


🎬おしい!🤔
貧困半グレの連鎖を断ち切るべきなのに、主人公たちより小さい子どもが調子こいてるのを認めてしまったのが作品として痛い。あれは小さい子が痛い目に遭ってるところを助けて「家に戻ってナルトでも見てろ」の方がテーマに沿ってるのでは?


続編では真昼間からエイリアンに活躍して欲しいですね。昼間でもエイリアンが真っ黒だったら嬉しいな。

黒人が真っ先に疑われるのは、彼らの場合は自業自得だね。