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卒業のbolのレビュー・感想・評価

卒業(1967年製作の映画)
3.7
既婚の女性から誘惑され関係を持ち、更にはその娘を好きになり二股をかける。
そんな男に纏わりつかれたら、プライドも糞もない。私が父親だったら殺してます🔪

ストーリーも好きじゃないし、
登場人物達に全く感情移入できない。
だけど観終わった時、「これぞ映画だな」としみじみ感じた。何とも味がある作品だった。
(うまく説明出来なくて申し訳ないんだけど)

周りから優等生のレッテルを貼られた青年が"大人"になっていく成長物語。
なかなかに破天荒だし、現代で万人に受け入れられるストーリーではないことは間違いなし。

だけど構図や映像のカットの美しさ、カメラワーク、曲の使い方。それぞれが秀逸。
完璧な演出により、青年期らしい青春の爽やかさや場面が変われば、登場人物達の感情の不安定さが伝わってくる。

エレーンに母親との関係を告げた後、エレーンの部屋から出てきたベンジャミンを見つめるミセス・ロビンソンの演出な...なんであんな構図で撮れるの?
あそこからぐーっと離れていく演出。
そしてあの表情。鳥肌立った。

ラストのシーンは有名過ぎるし最高。
2人の照れのように感じる笑みが絶妙。
内容は好きじゃない、もはやどうでもいい。
だけど雰囲気がめちゃくちゃ好きだった。
一生忘れられない作品になると思う。
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