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眠狂四郎 多情剣のkojikojiのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 多情剣(1966年製作の映画)
3.8
 悪役五味龍太郎。眠狂四郎に6回出演。円月殺法に3回殺された男。
この映画では赤松勘兵衛役。なんと同じ映画で2回円月殺法と闘う。一回目、赤松勘兵衛が斬りかからないので、狂四郎が闘いをやめる。赤松勘兵衛は、口の中を噛んで血を出しながら切り掛かりたい気持ちを殺していた。この時の二人のやりとり。 

狂四郎「これでは勝負にならん」
勘兵衛「円月殺法とは、円を描くうちに相手を一瞬眠りに陥らせて斬る。邪剣だ。」
狂四郎「だからお主は…」
勘兵衛「俺は俺の神経を麻痺させないよう自らの口の中に痛みを感じていた」
狂四郎「円月殺法と名付けているが、俺のは殺人剣ではない。斬らねば斬られるから斬るまでのこと。相手が斬りつけなければ、いつまでも待っている。」

#1301 シリーズ第7作
1966年 大映 
監督は井上昭
座頭市二段斬り、陸軍中野学校を撮っている。
脚本は星川清司(これが脚本最後の作品)

第4作の菊姫再登場。焼け爛れた醜い顔を晒し、狂四郎に誇りを傷つけられた復讐を果たすべく、武州疾風組を差し向ける。
狂四郎が岡場所で買った「はる」を人質に取り何がなんでも狂四郎を討ち果たそうとする。

今回の円月殺法と対戦するのは先ほど書いた
馬庭念流赤松勘兵衛と中谷一郎(ご存知黄門様をお守りする矢車の弥七)演じる下曽我典馬。この男は逆円月殺法で挑戦してくる。初めて狂四郎から打ち込んで斬る。ストロボ撮影使用。
この映画の円月殺法は型を崩そうと監督が工夫しているのがよくわかる。赤松勘兵衛も先に切り込む前に刀を投げてくる。
それにしても、どれも雷蔵は美しく撮っていて、この映画の円月殺法は好きだ。監督はこの映画の魅力は充分知っているのがよくわかる。
2023907.17視聴334ふ
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